のべつ幕なし

 「あずきの話で癒される」という嬉しい感想をもらった。

 だから、調子に乗ってさらに書く。





 先日、猟犬を飼っていた人と散歩の話をした。



 「うちの犬はしっかりと躾ていた。散歩ももちろんいい子で歩いていたのだが、目の前をスズメが一羽通りすぎてビニールハウスの中に入っていったら、それを見て大騒ぎとなった。そしてリードを振りほどいて突っ走った」と教えてくれた。



 ビニールハウスに逃げこんだスズメを追っかけまわし、最後には捕まえ口にくわえて飼い主のところに「どや顔」でやってきたとのこと。



 「ほら、オレって偉いっしょ!」みたいな感じで。



 そっかー、躾たつもりでも、ちょっとしたことで犬はパニックになることがあるのだなあと思った。散歩のときなど、油断できないな。





 いや、うちのあずきはのべつ幕なしの常時アホ状態で散歩しているから、オレ的には油断するヒマもないけれど。



 しかし、犬なんだから常時アホ状態でもいいような気がする。

 犬の寿命は人間の五分の一なんだもの。



 だから五倍の密度で好奇心を満たし好きなことして生きていいのじゃないかな。



 散歩はさせにくいけれど「ま、いっかー」という感じ。

人さまに迷惑をかけない範囲のヤンチャなら、飼い主のオレが頑張ればいいだけで。



 散歩中の写真を撮っても、いつもこんなふう。

 一瞬も止まっちゃくれない。止まったら息ができないマグロ犬。





 そうそう、自治会の配りものをあずきと一緒にやってみた。ふだんは自転車に乗りながら一人で配るのだが、散歩をかねてやってみたらどうだろうと思って。



 しかし、これは失敗。まともに動けない。



 玄関が開くと「遊んで遊んでー」とその人に向かってシッポ振りまくって立ちあがる。

 飼い主にとってはラブリーな仕草も、犬ぎらいの人には恐怖だろう。



 それからやっぱり歩いていれば好奇心をくすぐるものがいっぱいあって、あっちこっちチョロチョロ。





 おかげで、ど根性の双葉を見つけたけど。





 朝顔かな。雪が降る前にどこまで育てるのだろう。



 こんなのも見つけた。



 まさに紅一点。

 痩せてはいるが、凛として咲いたケイトウ。



 あずき目線の散歩も、おもしろいものだな。




uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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