オレ的世界最上級味シリーズ2 ラーメン屋のチャーシュー麺の部

 ラーメンは、複雑だ。

 ラーメンと一言でいっても、醤油ラーメン、塩ラーメン、味噌ラーメンに、つけ麺、冷やし中華に坦々麺。いや、オレ的には坦々麺は辛すぎるからいまんところ外れるけれど、今後味覚の変化で最上級にエントリーされるのも出てくるかもしれない。あと、あんかけ系のラーメンもあるし、ジャンル多すぎ。いや、嬉しいけど。

   さらにこちらの分類が掛け合わさる。

 それは・・・ラーメン屋のラーメンの部門と、中華料理の店のラーメン部門と、いわゆる食堂というところで出てくる食堂ラーメン部門に分かれるわけでね。

 ラーメンなんだからラーメン専門店がいちばん手間がかかっていて美味いだろと思うかもしれないが、いやいやいや、単純にそうは言い切れない。中華料理のラーメンも食堂のラーメンも、それぞれに美味い。どちらもけっして片手間で作っていたりはしない。

 うん、こうやって分けていくと、ラーメンの種類ってかなりあるのだと、あらためて気づく。

 その中からたった一杯を引っ張りだして「オレ的世界最上級味は、これ!」なんて断言しちゃうのは、オレ的にもちょっとムリ。最上級がたくさんあってもいいじゃないかと思うわけだ。

 そのなかで、ラーメン専門店系のチャーシュー麺の「オレ的世界最上級」を選びだすなら、そのうちの一杯に必ず入るのはこれだな。



 昔ながらの中華そばって感じ。細縮れ麺。

 細麺は茹であげるタイミングが難しい。同じ店に入っても、その日によって微妙にちがったりもする。うまくいったときはいいが、ときには残念な結果になるときもあり、わりとドキドキ。

 しかし、じゅんさい池公園のそばにあるこの店の細麺は、いつだって安定している。



 チャーシュー麺を頼むと、このようなつけあわせがついてくる。ネギ、ナルト。メンマにタマゴ、そしてチャーシュー。それを自分でラーメン上にトッピングする。チャーシュー麺なのに、トッピングの中にもチャーシューがついてくる。しかし気づいただろうか、このトッピングのチャーシューはラーメンの上にのっているものと肉の部位がちがうのだ。



 さて、この付け合わせをきれいに並べるのだが・・・いや、並べるという楽しみもあるのだが、はやく食べたい一心で焦って載せるので、わたしの場合はこんなふうになりがちである。



 「ただ投げこんだだけ」状態。我ながら恥ずかしい。

 カウンターの向こうにいるオヤジさんがこれを見たら嘆くにちがいない。だから、見つかって嘆かれる前に、すぐさま食う。



 細縮れ麺にスープは黄金色。こんなに澄んでいるのに豚骨と野菜だという。豚骨ラーメンとはまたちがう。あくまでもあっさり。あっさりというのは味が薄いという意味ではなく、文字通りあっさりという意味。薄い味とあっさり・・・言葉で説明しがたいこの違いは、ラーメン食べる人には感覚的にはすぐわかってもらえるだろうと思う。



 新潟は食べものがうまい。もちろん、ラーメンもうまい。かなりレベルは高いと思う。

 だから、県外からきたラーメン好きにラーメンを食べてもらうと、たいてい喜んでくれる・・・が、ときに大ハズレのときもある。



 飲んだあとに「ラーメン食って帰りたい」という友のリクエストに応えようと、近くにあったラーメン屋に入り「チャーシュー麺二つ!」と頼んで出てきたのを食べてみたら「・・・・」。



 その後、お互い無言で黙々と食べ「早いとこ食べ終わって早いとこ出ましょ」的な状態になってしまったときの悲しさといったらもう。



 そんな悲しみを経験することなく、なにげなく初めて入った店が、この「オレ的世界最上級」のようなところだったら、とっても幸せだろうになあ。




uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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