朝の大騒ぎ

わシリーズ
むかしむかしのお話
 
『コンタクトレンズ』


 わたしが朝食を食べていたときに


「わー、コンタクトレンズ落としたー!」と、妻が洗面台の前で叫んでいるのでございます。
 
 ああ、高価なコンタクトレンズを無くしてしまったら藤田家のビンボウにますます加速がついてしまうじゃありませんか。


 ワタクシ、朝食を中断して洗面台付近をはいつくばって探しましたよ。
 
 その間、うちの姉弟はケンカをはじめ、オネーチャンが叩いただのユーキがバカだからだのと泣き声がサラウンドで聞こえてきたのでありますが、そんなことかまっている場合じゃございません。なんたってコンタクトレンズの4万円がかかっているのでございますから。


 「ええい、オマエたちウルサイ! だまれ!」←わたし。


 「あーん、もう時間がないってのにい」←自分のせいなのに怒っている妻。


 泣き叫ぶ子供たちの声を聞きながら、わたしはセッセと探し回ったのであります。


そして


 「あーっ!」と叫ぶ妻。

 「ど、どうした」あまりの大声で慌てるわたし。


 「コンタクト・・・あたし、まだつけてなかった!」
  
 
 メガネをもちながら愛想笑いをする妻・・・


 

uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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