知人の多い中華屋さん
昨夜は妻が飲み会だったし、娘は遅番で夕ごはんいらないってことだった。
婆さまが、たまに外で食べたいという。
家以外では食べたくないという爺さまには弁当を買ってきて、わたしと婆さまと二人で中華の桃林にいってきた。婆さまは桃林にいくのははじめて。わたしも夜の桃林にノンアルコールで顔を出すのははじめて。
「こんちはー」と入って「二人です」と言ったら小上がりの席に案内された。
ひとつの小上がりに二つのテーブル。
ひとつのテーブルには先客あり。オヤジたち二人が陽気に酒を飲んでいた。少々うるさい。
婆さまを壁のほうに座らせ、わたしはオヤジに背中を向けるようにして座った。
婆さまは五目あんかけラーメンを注文し、わたしは角煮あんかけチャーハンにした。
婆さま、自分でラーメンを注文したくせに、「わっ、もしかしてマチゴテこれを注文したろっか!」と言ってメニューの「レバニラ炒め」を指さす。そのつど、「頼んだのはラーメンだからだいじょうぶ」と言うのだけど、短期記憶が苦手なオトシゴロになってきている。
3度も聞いてきたので「あのねえ、もう10回もそれ言ってるぞ。いいかげん覚えれ」と小声で怒るわたし。7回ほどサバ読んで婆を責めるわるい息子。それでやっと覚えたようなオババ。
ほどなくしてオババのラーメンが到着した。大きなドンブリで、最初から「食べきれない」とギブアップ宣言していたのだが「食えるだけ食え!」と放置。熱い熱いと言いながら食べていた。
やや遅れてわたしのチャーハンがきた。オババの様子を見ながら黙々と食べる。
「ん?」
わたしの腰の辺りに、なにかいる感じ。なんだなんだ?
と首を後ろに向けたら、酔っぱらいオヤジが倒れてきて、わたしの尻に頭をつけている。
おいおいおい、気色わるい。オヤジを尻枕で寝せる趣味はねーけど。
起きれ起きれ起きれ! と酔っぱらいの頭をつかんで起して顔を見たら、「なんだ、オメーかよ!」
弟の同級生だった。
「わー、フジタさん、スミマセン。オレ、倒れてました? 気がつきませんでした」と言って謝ってきた。
「気がつきませんでしたってオメー、あれだけハッキリ倒れていて気がつかないって、それってちょっと危険じゃないかい」と言ったら、そいつのツレが「スミマセン、今日は村の祭りで昼間っから飲んでまして」と言う。そっか、祭りか。じゃあ、しょうがねえか。
なーんて言いながらチャーハンを食べていたら、横を通りすぎる家族・・・「あっ、フジタさん!」と声をかけてくる。なんだなんだと見てみれば、おっ、現役の消防団員だった。家族できて夕ごはんを食べていたようだ。奥さん美人、娘さんかわいい。
「次の班長会議はいつか決まりましたか?」「おう、6月の3日だよ」なーんて業務連絡をして別れた。
わたしの後ろの酔っぱらいオヤジたちも、タクシーがきて帰っていった。
わたしは角煮チャーハンを食べ終わり、「いつでも帰れるぜー」という状態であったが、オババがまだ食い終わらない。あんかけラーメンが予想以上に熱くて苦戦しているようだ。
そんなしてたら「あ、フジタさん」と後ろから声がして、見たら今年の操法大会出場班の班長がいた。ちなみに1番員。熱い男だ。
「おー、どうしたどうした?」
「はい、今日は農家の集まりで、その二次会です」と。なるほどー。
もう一人きますんでとテレた感じで言うから妙齢のご婦人でもくるのかと思ったら、体重100キロ超級のオヤジだった。看板屋の社長&桃林のオーナー。
おいおいおい、知ってる人によく会う店だなあ。
お忍びでデートなんてけっしてできない店だなあ。
さてオババもラーメン食い終わり「じゃあ、またな」と後ろの酔っぱらいたちに声をかけ、オババがよこした一万円札を持ってレジにいこうとしたら体重100キロ超級のオヤジが叫んだ。
「ダメでしょ、お母さんに払わせちゃ!」と。
「いいんだよ、払うってんだから」とわたし。
「ダメですダメです。フジタさんが払いなさいよ、ねえ、払え、こら、いっちゃん、払えー!」
ああ、この酔っぱらいめ。
蹴り飛ばしてレジにいく。
母がご馳走したいって言うんだ。ありがたく受けさせろって。
婆さまが、たまに外で食べたいという。
家以外では食べたくないという爺さまには弁当を買ってきて、わたしと婆さまと二人で中華の桃林にいってきた。婆さまは桃林にいくのははじめて。わたしも夜の桃林にノンアルコールで顔を出すのははじめて。
「こんちはー」と入って「二人です」と言ったら小上がりの席に案内された。
ひとつの小上がりに二つのテーブル。
ひとつのテーブルには先客あり。オヤジたち二人が陽気に酒を飲んでいた。少々うるさい。
婆さまを壁のほうに座らせ、わたしはオヤジに背中を向けるようにして座った。
婆さまは五目あんかけラーメンを注文し、わたしは角煮あんかけチャーハンにした。
婆さま、自分でラーメンを注文したくせに、「わっ、もしかしてマチゴテこれを注文したろっか!」と言ってメニューの「レバニラ炒め」を指さす。そのつど、「頼んだのはラーメンだからだいじょうぶ」と言うのだけど、短期記憶が苦手なオトシゴロになってきている。
3度も聞いてきたので「あのねえ、もう10回もそれ言ってるぞ。いいかげん覚えれ」と小声で怒るわたし。7回ほどサバ読んで婆を責めるわるい息子。それでやっと覚えたようなオババ。
ほどなくしてオババのラーメンが到着した。大きなドンブリで、最初から「食べきれない」とギブアップ宣言していたのだが「食えるだけ食え!」と放置。熱い熱いと言いながら食べていた。
やや遅れてわたしのチャーハンがきた。オババの様子を見ながら黙々と食べる。
「ん?」
わたしの腰の辺りに、なにかいる感じ。なんだなんだ?
と首を後ろに向けたら、酔っぱらいオヤジが倒れてきて、わたしの尻に頭をつけている。
おいおいおい、気色わるい。オヤジを尻枕で寝せる趣味はねーけど。
起きれ起きれ起きれ! と酔っぱらいの頭をつかんで起して顔を見たら、「なんだ、オメーかよ!」
弟の同級生だった。
「わー、フジタさん、スミマセン。オレ、倒れてました? 気がつきませんでした」と言って謝ってきた。
「気がつきませんでしたってオメー、あれだけハッキリ倒れていて気がつかないって、それってちょっと危険じゃないかい」と言ったら、そいつのツレが「スミマセン、今日は村の祭りで昼間っから飲んでまして」と言う。そっか、祭りか。じゃあ、しょうがねえか。
なーんて言いながらチャーハンを食べていたら、横を通りすぎる家族・・・「あっ、フジタさん!」と声をかけてくる。なんだなんだと見てみれば、おっ、現役の消防団員だった。家族できて夕ごはんを食べていたようだ。奥さん美人、娘さんかわいい。
「次の班長会議はいつか決まりましたか?」「おう、6月の3日だよ」なーんて業務連絡をして別れた。
わたしの後ろの酔っぱらいオヤジたちも、タクシーがきて帰っていった。
わたしは角煮チャーハンを食べ終わり、「いつでも帰れるぜー」という状態であったが、オババがまだ食い終わらない。あんかけラーメンが予想以上に熱くて苦戦しているようだ。
そんなしてたら「あ、フジタさん」と後ろから声がして、見たら今年の操法大会出場班の班長がいた。ちなみに1番員。熱い男だ。
「おー、どうしたどうした?」
「はい、今日は農家の集まりで、その二次会です」と。なるほどー。
もう一人きますんでとテレた感じで言うから妙齢のご婦人でもくるのかと思ったら、体重100キロ超級のオヤジだった。看板屋の社長&桃林のオーナー。
おいおいおい、知ってる人によく会う店だなあ。
お忍びでデートなんてけっしてできない店だなあ。
さてオババもラーメン食い終わり「じゃあ、またな」と後ろの酔っぱらいたちに声をかけ、オババがよこした一万円札を持ってレジにいこうとしたら体重100キロ超級のオヤジが叫んだ。
「ダメでしょ、お母さんに払わせちゃ!」と。
「いいんだよ、払うってんだから」とわたし。
「ダメですダメです。フジタさんが払いなさいよ、ねえ、払え、こら、いっちゃん、払えー!」
ああ、この酔っぱらいめ。
蹴り飛ばしてレジにいく。
母がご馳走したいって言うんだ。ありがたく受けさせろって。
画像はイメージです。
今回のエッセイとはあんまり関係ありません。
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