運命と言う言葉も知らず


さっきまでお母さんといっしょだったのに、急に知らない人に抱っこされて車に乗せられた「あずき」。


 


いままで一度も呼ばれたことのない名前で呼ばれている「あずき」。


 


知らない匂いの家に連れてこられて、不思議な「あずき」。


 


 


わたしたちは、「あずき」のことが欲しくてたまらずもらってきたけれど、「あずき」はわたしたちのところに来たくて来たわけじゃない。



「あずき」は自分の知らないうちに、わたしたちの家の子になっていただけ。




そのことを忘れずに「あずき」と生活していきたいと思う。



ずっと前からうちにいるみたいに動きまわる「あずき」。





ちいさな声で「あずき」と呼んだら、かわいく耳がピクッと動いた。


 


uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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