親が優しいとき
まだ小さな子どもだったころ、ヤマイで寝こんでいる父が好きだった。
具合がわるいときは元気がないから、それがよかった。
声がちいさくて、怒鳴り声がしないのでよかった。
逆らっても、殴ったりしないからとてもよかった。
「お菓子をくれ」と言えば、静かに在処を教えてくれた。
「小遣いくれ」と言えば、財布をもってこさせた。
用がすむと、また布団の中に顔を埋めるようにして寝た。静かでよかった。
とにかく、父が病気のときはわたしとしては平和な家庭になった気がしてうれしかった。
まあ、平和じゃない原因は、おおむねわたしのワガママからきていたのだろうが。
いまでは年中無休でヤマイの父。
とてもおとなしく、とても平和だ。
今日の午前中、スーパーの買いものから帰ってきたら、父が自分でジャーを開け「味噌汁のお椀」にご飯を盛って、そして皿にコロッケを載せ醤油をかけていた。
まだお昼の時間ではない。
まちがってしまったようだ。
「爺ちゃん、ご飯までにはちょっと早かったかな」と指摘すると、「まちがった」と言って気まずそうにジャーに戻そうとした。いやいや、もういいからいいから。盛ったんだから食べましょう。
父には病気になってから火を使うことを止めてもらっているので、わたしがお湯を沸かし、味噌汁のお椀をもうひとつ出して、そこにインスタントのモズクスープを入れた。
そんな感じで平和に父の昼ご飯は終了。
あとは、母だ。
母が病気だと、家庭の平和が崩れる。父の面倒をみる人がいない。
ここ数日、トイレ以外はベッドの上ですごしている。病院に連れていこうと言うのだが、寝ていれば治るそうで、行く気がない。
上げ膳据え膳。カゼのせいで食欲がないようだ。だから、飲むだけで栄養になりそうなものを探す。それが豚汁だったり、甘酒だったり。
ご飯は、ほんのちょっぴり。文字通り、一口しかない。
母は漬物が好きなので、切り干し大根を買ってきた。あと、スジコと鶏のカラアゲ。カラアゲは小さな一個の半分を食べきれずに残した。
父とちがって、母はわたしの行動に対価を払おうとする。
ケナゲな息子の世話になり金を使わせてしまったからと、わたし名義の通帳に一万円入れておくのだそうだ。
具合がわるいときは元気がないから、それがよかった。
声がちいさくて、怒鳴り声がしないのでよかった。
逆らっても、殴ったりしないからとてもよかった。
「お菓子をくれ」と言えば、静かに在処を教えてくれた。
「小遣いくれ」と言えば、財布をもってこさせた。
用がすむと、また布団の中に顔を埋めるようにして寝た。静かでよかった。
とにかく、父が病気のときはわたしとしては平和な家庭になった気がしてうれしかった。
まあ、平和じゃない原因は、おおむねわたしのワガママからきていたのだろうが。
いまでは年中無休でヤマイの父。
とてもおとなしく、とても平和だ。
今日の午前中、スーパーの買いものから帰ってきたら、父が自分でジャーを開け「味噌汁のお椀」にご飯を盛って、そして皿にコロッケを載せ醤油をかけていた。
まだお昼の時間ではない。
まちがってしまったようだ。
「爺ちゃん、ご飯までにはちょっと早かったかな」と指摘すると、「まちがった」と言って気まずそうにジャーに戻そうとした。いやいや、もういいからいいから。盛ったんだから食べましょう。
父には病気になってから火を使うことを止めてもらっているので、わたしがお湯を沸かし、味噌汁のお椀をもうひとつ出して、そこにインスタントのモズクスープを入れた。
そんな感じで平和に父の昼ご飯は終了。
あとは、母だ。
母が病気だと、家庭の平和が崩れる。父の面倒をみる人がいない。
ここ数日、トイレ以外はベッドの上ですごしている。病院に連れていこうと言うのだが、寝ていれば治るそうで、行く気がない。
上げ膳据え膳。カゼのせいで食欲がないようだ。だから、飲むだけで栄養になりそうなものを探す。それが豚汁だったり、甘酒だったり。
ご飯は、ほんのちょっぴり。文字通り、一口しかない。
母は漬物が好きなので、切り干し大根を買ってきた。あと、スジコと鶏のカラアゲ。カラアゲは小さな一個の半分を食べきれずに残した。
父とちがって、母はわたしの行動に対価を払おうとする。
ケナゲな息子の世話になり金を使わせてしまったからと、わたし名義の通帳に一万円入れておくのだそうだ。
それはありがたいのだが、しかしだ、通帳のハンコは母が持っている。
だ、だめじゃん、それ。現金くれ。
さて、今夜は小学校のPTA関係の飲み会。亀田で飲むのだあ・・・と思ったけど、強風のため新潟市消防団は17時15分より「一号警備体制」となる。あー、行っても飲んでられないなあ。
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