のぼったのぼった:新潟市消防局のいちばん高いところ

 消防局レポート、その2





 ここで新潟市消防局の概要を書いておこう。



 場所は中央区鐘木257番地。産業振興センター西側にある。

 地上一部五階建て。もちろんムテキの免震構造。

 どどーんと目立つ無線鉄塔の高さは約87メートル。



 災害でライフラインが止まったときを想定し、電源を確保するための自家用発電設備の稼働時間は7日以上。また、ガスは特殊で丈夫なガス管が繋がっており、よほどの大地震でも止まることはほぼないとのこと。水は、飲み水以外は浄化して使えるよう、循環装置が設置されている。



 また、消防車両の燃料を確保するため、自家用給油所があり、ガソリン4,000リットル、軽油6,000リットルが備蓄されている。これで緊急車両が3日フル稼動できるとのことだ。



 食料は、職員一人ひとりが署内に3日分以上を確保している。

 ちなみに上ノ山局長もこのとおり。



 「写さんでいいわね」と言われたけれど、写してしまった。名前を書いた箸入れが可愛いかも。



 さて、局内探検を開始しようか。

 案内していただくためエレベーターに乗ったら、中にどどーんとこんなものも乗っていた。



 まだ一部で完成していないところもあり、工事は現在も続いているとのこと。





 エレベーターを降りて外の世界へ。

カモーンと待ちかまえていたのは工事の人。





 案内してくださったのは、市役所から出向してきたという高橋さん。背が高い。わたしも低くはないのだが、高橋さんは、それよりもかなり上のほうに顔がある感じ。身長は2メートル13センチというところか(いや、さすがにそこまでは)





 途中で「関係者以外立ち入り禁止」の看板があるが、関係者だから関係ない。





 ヘリポートに到着した。

 ここで他都市からの応援部隊を速やかに受け入れる。

 重量制限があって自衛隊のプロペラが二つあるような重量級のヘリは無理だが、県警や消防のヘリは楽勝で着陸できるそうだ。





 けっこうな高さがある。35メートルほどか。風が強くて飛ばされそう。

 



 鳥屋野潟が見える。桜が咲いたらキレイだろう。





さて、せっかくここまできたのだから、無線鉄塔のてっぺんまでいってみたい。こんなときじゃなければ上れない。局長の許可も得ているし、高橋さんに案内してもらって鉄の階段をどんどんと上っていった。行き帰りで20分かかるとのこと。案内してくれた高橋さんは、鉄塔に鳥が巣を作ったりしないよう見張るため、毎日のように上っているそうだ。





ゼーゼー言いながら到着した。

ちなみに、鉄塔全体にネットが張ってあるのだが、これは鳥を避けるためだそうだ。





ちゃんと上った証拠写真。地上87メートルの吹きさらしの世界。

片膝ついているのは、立つと頭がネットに引っかかるから。

強風のため、髪が乱れまくり。自毛でよかった。ズラの人は注意が必要だ。





 先ほどのヘリポートが、はるか下に見える。





 隙間から見える車が小さい。



 てっぺんは風が強いし寒いしで、この時期はあまり長くいると辛い。



 そんなわけで、こんどはひたすら降りる。





 そうそう、これは上空から見た消防局からの出口の様子。普段は左折しかできない道路になっている。しかしながら、緊急車両が出動するときは、分離帯を横切って右折できる。

 

 さて、こんどは中を案内してもらった。

 無線鉄塔の上り下りはかなり体力を使い、体がやたらと温まった。風の動かない室内に入ったら、一気に汗が出てきた。



 ここは作戦本部室。大きな災害が起ったときは、ここで作戦会議が行われる。何台もの大きなモニターが壁に架かっているし、このようなテーブルの島がいくつかある。





 こちらは司令室。119番通報を受けつけている場所である。こうやっているときにも、救急車が出動しているし、その場所が地図で示されている。モニターの上と天井に空白があるが、将来的にはこの壁を全部使ったようなモニターになることを想定しての隙間であるとのこと。





 建物内を案内してもらっていると「おー、フジタさん、おひさしぶりー」と声をかけてくれる人がいる。消防団歴が長くなってくると、知り合いもいっぱい増えて嬉しい。「おなつかしー」とか言ってみたが、しかし冷静に考えてみると、旧庁舎のときにも挨拶したような気がする。そうなると半年ぶりくらいか。ああ、強風に吹かれた後で、髪の毛がぺったりしている。



 記念撮影をしたついでといってはナンであるが



 案内をしてくれている市役所の高橋さん(推定2メートル13センチ)ともパチリ。わたしがオッパイ触っているみたいに見えたとしたら、それは誤解だ。これには深ーいわけがある。そのわけは、まだ書かない。



 

かなり本格的なトレーニングルーム。

消防署員の筋肉は、命を守るための貯金なのだ。





火事の原因を調べる鑑識室。

X線装置や特殊な顕微鏡、また放火などに使われた油分の存在などを明らかにする装置が置いてある。こうやってみると一見地味に見えるのだが、じつは奮発した超高性能版をがんばって導入した。



このあたりの事情に詳しい我が同級生、江南消防署のW署長ともあとで話したのだが、ここでケチってしまうと安物買いの銭失いになってしまうので、しっかりとした装置を用意してもらったそうだ。





こちらは仮眠室。

三人で交代して使っている。布団とベッドは共有だが、ロッカーが三つ、ベッドの引出しも三つ各個人用にある。





 むかしは大部屋だったが、いまは個室。



 しかし、仮眠室があるからといって、ここでぐーぐー寝てはいられない。あくまでも、体力温存のための仮眠室だ。指令が出れば、ここから一分以内に車に乗り出動する。





 防火衣着装室。現場の服を着るところだ。

 火事で出動となると、食事中でもトイレでも仮眠中でもなんでもかんでも即座にこの部屋にくる。



 以前上ノ山局長さんに「 う○こしている最中だって拭かずに出動すると聞いたのですが?」とお尋ねしたことがある。



 そしたら局長さんは静かにこうおっしゃった。「拭きます・・・」と。

 残念ながら、ウ○コしてても拭かないで出動するというのは都市伝説のようだ。



 しかし、仮に頭にシャンプーつけてシャワーしていても、出動がかかったら泡も流さずそのまま服を着て出ていくとのこと。





 服は一人ずつ下がっている。これは回転式になっており、今日の出番の人の服が下がっている。その後ろに、次の出番の人の服が見える。





 靴とズボンはこんなふうに、即座に着用できるように各自がセットしておく。ここにスポッと足を入れズボンをあげれば下半身は完成だ。





 そして上を着て、奥に見える扉を開ける。扉の向こうの赤いのが消防車だ。





 消防自動車に乗りこみ、即座にスタート。現場に向かう。



 119番通報を受け、オペレーターが話を聞いている途中ですでに、消防車は現場に向かって走っている。走りながら、司令室からのさらに詳しい情報を元に現場に行く。だから、通報者は「早く早く!」と慌てなくていい。



 次は、こうして活躍する消防署員さんたちが、日ごろどのように訓練しているかを報告しよう。



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 追伸:

 消防署員が現場から帰ってくると、服はかなりキナ臭い。



 それを自分たちで洗濯し乾燥させる。

 特殊な防水加工された服であるから、クリーニングに出すとバカ高いらしい。だから、自前で洗濯機と乾燥機を用意したほうが、結局安あがりとのことだ。



 

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